引っ込み思案な恋心。-2nd





拓から携帯を借りて、赤外線の設定をした。





そして私の携帯で赤外線送信を選んで……。






お互いのデータを送り終えた後、白い携帯を折りたたんで拓に渡した。






「これで私のデータが入ったと思うよ」



「マジで?サンキュー。早速電話かけていい?」



「ええ?ここにいるのに電話でしゃべるの?変な感じだな…」



「何でも試したいんだよ。あれ?電話帳ってどれ?」







なんか…、結構普通の取りとめのないことを話してると思うけど、こうやって拓と話せるのはやっぱり嬉しいな。






お互い頑張ってるからって心で言い聞かせていても、やっぱりせっかく付き合ってるのに会えないなんて…、寂しいと思っていたから。






しかも携帯があれば、いつでも拓に連絡取れるよね。






会えなくても…、前より拓とつながってる感じがまた嬉しいかも。









私から一通り携帯電話の使い方を聞いて、何故か電話を通して私と話をした後、拓は嬉しそうな顔で携帯を開いたり閉じたりしながら私に話しかけてきた。






「俺、こーゆーコトができると思ったから柚と同じ機種にしたんだよなー」



「え?私に携帯の使い方を教わるため?」





< 106 / 270 >

この作品をシェア

pagetop