引っ込み思案な恋心。-2nd





すると、いつの間にかちゃっかり帰る用意を済ませていたあかねちゃんが、映美佳の隣に座った。





「映美佳ぁ〜、一緒に帰るでしょ?柚は瀬川に送ってもらう?」



「えっ!?」



「おう、柚のことは俺にまかせとけ」






私が返事をする前に、拓があかねちゃんに返事をしていて、それを聞いたあかねちゃんは映美佳の腕を引っ張りながら立ち上がろうとした。






「ちょっとあかねちゃん、早いって!待ってよ」



「じゃあみんな、またねぇ。中間テスト、健闘を祈る!!」






映美佳があかねちゃんを引っ張り返して帰る準備をしている間に、あゆとななっぺは立ち上がって部屋を出て行った。





そしてその直後に、拓から漫画を受け取った倉本くんが「じゃーな」と言って部屋から立ち去った。






「…倉本って、初めて話したけど、謎な人物だよね」



「あ〜、アイツは基本的に集団行動しないから。瀬川達とは上手くつるんでるクセにねぇ」






映美佳が自分の荷物を片付けながらあかねちゃんと話していると、拓がみんなの飲み物が入っていたグラスを片付け始めた。






「拓、手伝うよ」



「おう。気ぃ遣わなくて別にいいのに。でもサンキュー」






私も拓と一緒に、そばにあったお盆にグラスを並べた。





カチャカチャというグラスの音が、部屋に響き渡る。






「こーして見てるとさ、柚も『瀬川の彼女』ってのが板についてきたんじゃないの〜?」



「え…?」






そんな私達の様子を見ていたあかねちゃんにそう突つかれて、嬉しさと恥ずかしさが同時にこみ上げてきた。





あかねちゃんのからかいは相変わらずだけど…、拓の前でも言わなくていいじゃん。。。





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