Dear My Brother
16歳
私、梶山菜緒16歳は4つ年上である実の兄が大嫌い。
何をそんなに嫌っているのか自分でもわからないけど、とにかく大嫌い。
まともに口をきいた記憶なんて、ここ数年ないくらい、その関係は冷え切っている。
顔を見るのがイヤ。
声を聞くのがイヤ。
そんな兄は2年前に高校を卒業してすぐに同じ県内の沿岸部にある会社に就職して一人暮らしを始めたので、もともと少なかった兄妹のコミュニケーションはますます少なくなり、ほとんど絶縁状態。
正直、せいせいしている。
このままでいい。
兄なんていなくていい。
それが私の気持ちだった。
友達と遊び終え帰宅すると、玄関先に滅多に帰ってこない兄の姿が見えた。
「ちっ・・・」
見たくないものを見てしまった嫌悪感に想わず舌打ちが出てしまう。
引っ越してから乗りもしなくなった小さいバイクを洗車している兄を尻目に、横を通り過ぎる。
「おい」
玄関のドアノブに触れようとした時、聞きたくない声で不意に話しかけられた。
「・・・なに」
私の口からでた言葉はたった二文字で、口調は冷徹そのもの。
何をそんなに嫌っているのか自分でもわからないけど、とにかく大嫌い。
まともに口をきいた記憶なんて、ここ数年ないくらい、その関係は冷え切っている。
顔を見るのがイヤ。
声を聞くのがイヤ。
そんな兄は2年前に高校を卒業してすぐに同じ県内の沿岸部にある会社に就職して一人暮らしを始めたので、もともと少なかった兄妹のコミュニケーションはますます少なくなり、ほとんど絶縁状態。
正直、せいせいしている。
このままでいい。
兄なんていなくていい。
それが私の気持ちだった。
友達と遊び終え帰宅すると、玄関先に滅多に帰ってこない兄の姿が見えた。
「ちっ・・・」
見たくないものを見てしまった嫌悪感に想わず舌打ちが出てしまう。
引っ越してから乗りもしなくなった小さいバイクを洗車している兄を尻目に、横を通り過ぎる。
「おい」
玄関のドアノブに触れようとした時、聞きたくない声で不意に話しかけられた。
「・・・なに」
私の口からでた言葉はたった二文字で、口調は冷徹そのもの。