漆黒の姫君
「愛里、あそこに見えるのがコーンウォールド城だよ。」
「…おっきいのね。」
道の先、坂を上った所にある城はとにかく大きい。高い塀で周囲を囲まれてはいるものの、城の作りの素晴らしさはしっかりと伺えた。
城を基調としたその城は、遠くからでも風格を漂わせている。
写真でしか見た事のないような城に、愛里は目を奪われる。
「コーンウォールド国の中心の城だから、国で一番立派だと思うよ。愛里、もうすぐだから我慢して。」
愛里が街の景色を隅々まで見たくて、フードを外したいのを知っているようにエドガーは言う。
「…あとちょっと?」
「うん。」
「なら、我慢する。」