漆黒の姫君



思わず耳を塞ぎたくなるような悲鳴交じりの声を上げ、砂埃を立て人込みをかき分けながらこちらに向かってくる人がいる。


愛里は思わず身構えた。




_な、なに!?なんか叫んでこっちに向かって来てるんだけど!ていうか陛下って?…もしかして、エドガーが陛下!?



「陛下!!よくぞご無事で!!わたくし、感激じでいまず…っ。」



銀のような色の長い髪を持った美男は、顔中を涙と鼻水でぐじょぐじょにしながらそう言った。わたくしは陛下の漆黒のお髪が拝見出来て…あぁぁ、などと言っている。




_…もの凄い美形なのに、なんか可哀想……。



ん?なんかこの男の人、私に話しかけてる!?でも陛下って…え、…え?



「どうなされました?陛下。」


ハンカチで顔を拭いていた男が愛理に尋ねる。




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