漆黒の姫君
『まぁ、なんと。それでは仕方がありませんわね。
…陛下、お初にお目にかかります、リディアンヌ・コーネラルと申します。リディ、とお呼び下さいまし。』
水盤の中の少女は恭しく膝を着いた。普段そうされる事に慣れているはずもない愛里はどう反応していいか分からず、ペコリと頭を下げた。
『………。』
二人は水盤を挟んで見つめあった。というか、リディアンヌが愛里を見つめているのだ。
「…え、と…?」
自分を見つめ微動だにしないリディアンヌに愛里は頬を引き攣らせる。
『…なんてお可愛らしいんでしょう!!やはり陛下はお美しいですわ!!ああ、こんな水を通してではなく直で触りたいですわ、撫でまわしたいですわ!!』
「へ…?」