永遠の約束-聖母の涙-





 そうは言われても、怯んでいると、真理亜は深青の背中を押して強引に扉の奥へと押していった。


 やんわりとしたイメージしかない真理亜の意外に強引な一面を垣間見た瞬間だった。











 教会から続いている扉を超えると、そこは想像もしていなかった生活空間へと続いていた。


 でも、聖マリオネット女学院の敷地内にあるだけのことはある。


 生活空間とはいうものの、そこには深青が想像もできないほどの豪邸の屋敷内となっていたのだが―――…


「驚かれました?」


「え?」





 真理亜に聞かれ、自分がそれほどキョロキョロと辺りを見渡してしまっていたのかと恥ずかしくなってきた。


「あ、えと…」


「まさか、教会からこんな風に繋がっているとは思いませんよね」


「は、はぁ…」





 繋がっているとか繋がっていないとかそういうことよりも、教会の裏からこれほどの豪邸が繋がっていると思いもしなかったんだけど―――…。


「実は、糸川シスターは私の姉なんです」


「えっ!?」





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