KISS AND SAY GOOD-BYE
別館A棟を回って戻ってきたら、留学生達男女20名が、今はダンスのレッスンをしていた。
宣材写真を見ながら、顔と名前を覚えていく。
美華もやはり同じように宣材写真を見ながら、顔と名前を覚えようと頑張っていた。
それにしても宣材写真って、パスポートの写真を引き伸ばした見たいで見にくいし、表情がつまらないなぁ…。
翌日からは、自分のデジカメを持参して、ダンスしているところや授業を真剣に受けてる表情、歌ってるところや趣味のギターを弾いたり、絵を描いてるところからゲームで遊んでいるところ、食事しているところまで、様々なアプローチで撮影していった。
休憩中にはハングル語で話しかけたりしていたので、直ぐに打ち解けたのもあり、色々と彼等の人間性なんかも見えてきた。
それらをメモに控えておき、帰宅してから急いでファイルを作っていった。
そうして完成したのは、10名の男子留学生のプロフィール入りのアルバムだ。
一人一冊ずつ作成したので、10名分を常に持ち歩くのは重たいので、とても良い表情の写真を一人3枚ずつ集めた10名分を纏めたプロフィール入りアルバムも一冊つくって、それを持ち歩くことにしした。
新星MUSIC第3営業課から預かっていた留学生達の宣材写真は、俺にあてがってくれたロッカーの中に仕舞っておいた。
彼等が教室で勉強している間に、俺は安川係長と、美華は河野次長と共に営業に出た。
この日の為に、俺も美華も最近はスーツで出勤と言う、正にサラリーマンとOLのような俺達だ!
美華達と別れて、俺は安川係長の運転する社用車の助手席に乗り込み、シートベルトを締めたらひまわりテレビへと向かった。
美華達は、東京テレビからケーブルテレビへと廻るそうだ。
ひまわりテレビに到着して、来客用の駐車スペースに車を停める。
受付に行き、安川係長と俺は二手に別れて営業に回ることにした。
安川係長は、坂元音楽プロデューサーにアポを取っているのだ。
俺は、依然一緒に仕事をしたバラエティ番組【探せメロス 全国制覇】と言うのを担当している安西真理恵プロデューサーに今日伺うからと連絡を入れていたのだ。
『久しぶりね桧山くん。』
「ご無沙汰しております安西プロデューサー。」
『新星MUSICでバイト中だって美華ちゃんから聞いてたけど、まさか営業に出てるとはねぇ♪』
「はい、高山社長から色々教わってます。
今は此方の部署で働いています。」
と言って、スーツの内ポケットから名刺入れを取りだし、スムーズに名刺を差し出した。
『まぁ、もう一人前のビジネスマンみたいな仕種ねぇ!』
と、優しい笑顔で微笑んでいる。