KISS AND SAY GOOD-BYE
「厳しいですねぇ……。
要するにダメだって事ですよね!?」
『何、勘違いしてるのよ桧山君は!
君を見込んで、あたしに君から発信の面白い企画を頂戴って頼んでいるんじゃない。
最近さぁ、マンネリ化してんだよねぇ、この世界も!
企画会議なんて、朝まで20人近くのディレクターやプロデューサーや、ADやAPにまで意見を求めても、やれ巨乳祭りだとか、アポなし突撃番組みたいな使い古しの案を、タレントだけを変えて遣ろうとしたりして、情けないやらつまらないやらでさぁ、助けて頂戴!』
「でも、一応新星MUSICの社員として動かないといけないので、一旦うちの社長に伺ってからお返事させてください。」
『わかったわ!』
「それで、うちの社長がOKをくれましたら、その時はうちの留学生達がメインを張れる番組の企画書を持ってきます。
それが、そちらの企画会議に通れば、その時は他の芸能プロダクションじゃなくて、うちの留学生を使ってくださいね!」
『それじゃあその時は、ちゃんと企画書を預かった時点で、新星MUSICに対しての確約書を提出してあげるわ!
そしたら安心でしょ?』
「有り難うございます。
それでは、本日はお忙しいのにお時間を割いていただき、本当にありがとうございました。」
『桧山君さぁ、君って本当に高校生なの!?』
「どういう意味ですか?
老けて見えますか?」
『そうじゃないわよ。
君の考え方からしゃべり方、話の運び方から礼儀作法まで全てを見ていると、一流企業のトップクラスのビジネスマンと打ち合わせをしているみたいよ!』
「ハハハ……。
喜んで良いのやら……。」
『じゃあ、楽しみにしてるからね♪
あっ、それから、これがあたしの名刺よ。
はい!
そこに書いてある携帯の番号は、あたしの直通だから、番組の事で聞きたいことや、アポイントを取るときには、此方に連絡を頂戴な!
いちいち事務員を通していたら、タイミングがずれちゃうことが有るから、嫌なんだあたし!
特にぃ、新企画なんて人に聴かれたくないし、漏洩して他社で遣られると敵わないからね!
それに、レアな企画は出来たてが美味しいんだから!
事務員を通すよりも、直で連絡をしてきてよね!
あたしは、今は担当しているのが月曜日と木曜日の収録日以外は、夕方からは暇してるからさぁ。』
「分かりました。
それでは、本日は失礼します。
お忙しいところお邪魔しました。」
と、深々と一礼をしてから、小会議室を後にして、安川係長にメールを打った。
【只今、話し合いが終わりましたので、1階のロビーで待ってますので!
桧山】
すると、直ぐに電話が鳴った!