KISS AND SAY GOOD-BYE
素敵なプレゼントを貰い、綺麗な夜景を見ながら美味しいフレンチ料理を頂き、あっという間の1日だった。
リュウが一生懸命に今日の為に準備してくれた、その気持ちが嬉しかった。
社会人なら、食事が終わったらこのままホテルに部屋を取ってるから、朝まで一緒に過ごそうね!なんて流れになるんだろうけど、うちの両親が許してくれる訳もないし、紳士なリュウは門限を過ぎない様に、ちゃんと家まで送ってくれた。
『もうお家に着いちゃった!
リュウ、もっと一緒に居たいよ。』
「俺だって一緒に居たいさ。
出来る事なら、明日の朝まで一緒にって思うけど、交際を許して貰っているかららには、きちんとケジメを付けて両親に心配掛けないお付き合いにしないといけないじゃん。
そうしないと、美華が外出禁止なんて事になって会えなくなったら、そっちの方が辛いもんね。」
『それもそうだね。
じゃあ、また明日ね!
気を付けて帰ってね!』
と言って、俺の首に両手で抱き付いてきた。
「じゃあ、また!」
と言って、俺は美華の体をグッと抱き寄せてソッと口付けをした。
それに答えるかの様に、美華の両手にも力が入り、お互いに強く抱き締めあいながら何度も唇を重ねあった。
頭の芯がカァ~ッと熱くなってくるのが分かる。
『大好きだよ。
リュウ、メチャクチャ大~好き!』
と言うと、また唇を求めてきた。
「俺も……。」
『ちゃんと言ってよ。』
「俺も大好きだ。
美華の事を愛してるから。
誰にも渡さないからな!」
『フフッ、私はリュウだけのものだから。
何処にも行かないよ。
リュウが嫌だって言っても、絶対に離れないんだから!』
「ハハハ……!
俺だって!」
『リュウ、愛してるよ。』
と言って、何度かになる口付けを交わして、漸く名残惜しそうに俺の首に回した両手を離した。
早く家の中に入るように促しても、美華は何度も何度も振り返りながら、手を振っている。
俺も笑顔で手を振って、彼女が完全に家の中に入ったのを見届けてから、俺は新大久保の自宅に戻った。
今日1日で、先月のバイト代の半分を使ってしまったが、そんなことは気にならなかった。
美華の笑顔で、また明日から頑張ってバイトに励めるってもんだよ。
アッ、明日からもう冬休みだ!
なんか、1年があっという間に過ぎていった気がした。