とある男子校のバカ過ぎる日常
「『薔薇』描いてぇや」
「は?」
「白薔薇の人くるんやし、薔薇は大事やろ?」
…………何処まで律儀なんだ…っ、克!!(泣)
「分かった。でも下手だぞ」
「えぇて。乾く前に消せば」
「そうか。じゃあ…」
俺はペンを取り、克の手の甲に神経を集中させた。
サラサラと描いていく。
まぁ、薔薇だしな。
あんまり上手く描けねーよ。
どんなに頑張っても…
「ま、こんなもんかな…」
うん。こんなもんだ。
俺はただ、自分の中で納得するくらいの薔薇を描き上げた。
「……う、上手い!!めっちゃ上手いやんか!!湊爽緒!!」
「へ?」
え、克の奴、めっちゃ目ぇ輝かせてんすけど!?