とある堕天使のモノガタリⅢ ~ARCADIA~




『し…ししし…忍様!?』




突然ひれ伏した銀髪の少女に一同ギョッとした。




『まさか…あなた、バジリスク!?』




パーカーにフレアのミニスカート…



長く艶やかな銀髪が揺れ、上目遣いでこちらを見る大きく潤んだ瞳…。




─か…か…可愛い!!




「なんなの~!?こんな可愛いなんて聞いてない!!」




思わず日本語でそう叫ぶ忍をニコールが『落ち着け!』と宥める。




『そうよ…!滅多に他人を誉めない右京がバジリスクの事は“カワイイ”って言ってたのよ…!なんでもっと早く私に会わせてくれなかったの~!?』




半狂乱の忍をニコールは押し留めようと彼女の肩を掴んだ。




『し…忍様に何をするんですか!!』




予想外の方から聞こえた声にニコールが『え?』と振り返る。




次の瞬間、弧を描いて投げ飛ばされたニコールを見てシンディが悲鳴を上げた。




『バージ!パンツ見えるからやめなさい!』




『そうよ!女の子なんだから!』




─…色々と…ツッコミたい…




そう思いながらも立ち上がれないニコールはバタリとその場に倒れ込んだ。





その後右京が帰って来た時には、ニコールことニックは完全にのけ者状態だった。





   ◇◇◇◇◇◇◇◇



< 335 / 461 >

この作品をシェア

pagetop