とある堕天使のモノガタリⅢ
~ARCADIA~
『し…ししし…忍様!?』
突然ひれ伏した銀髪の少女に一同ギョッとした。
『まさか…あなた、バジリスク!?』
パーカーにフレアのミニスカート…
長く艶やかな銀髪が揺れ、上目遣いでこちらを見る大きく潤んだ瞳…。
─か…か…可愛い!!
「なんなの~!?こんな可愛いなんて聞いてない!!」
思わず日本語でそう叫ぶ忍をニコールが『落ち着け!』と宥める。
『そうよ…!滅多に他人を誉めない右京がバジリスクの事は“カワイイ”って言ってたのよ…!なんでもっと早く私に会わせてくれなかったの~!?』
半狂乱の忍をニコールは押し留めようと彼女の肩を掴んだ。
『し…忍様に何をするんですか!!』
予想外の方から聞こえた声にニコールが『え?』と振り返る。
次の瞬間、弧を描いて投げ飛ばされたニコールを見てシンディが悲鳴を上げた。
『バージ!パンツ見えるからやめなさい!』
『そうよ!女の子なんだから!』
─…色々と…ツッコミたい…
そう思いながらも立ち上がれないニコールはバタリとその場に倒れ込んだ。
その後右京が帰って来た時には、ニコールことニックは完全にのけ者状態だった。
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