とある堕天使のモノガタリⅢ
~ARCADIA~
クリスが戻って来たのは1時間程してからだった。
一体何があったのかをシンディが聞いてもクリスは答えなかった。
『奴等はコロッセオで何か探していたらしい。調べてみてくれ。』
『判った。…クロウは?』
『アイツは…先に帰した。俺も少し休ませてもらう。』
そう言ってクリスは部屋を出ていった。
忍はクリスの言い方が何となく気になり慌てて追いかけて彼を呼び止めた。
『さっき“暴走”って言ってたけど…もしかして右京が…?』
クリスはただ『右京についててやってくれ』とだけ言って自室に入って行った。
その場に取り残された忍は急に不安になり右京の部屋を訪れた。
ノックをしても返事はない。
が、ドアに鍵は掛かって居なかったので勝手に入って右京を探す。
『…右京?』
バスルームから水の音が聞こえる。
─なんだ、シャワーか。
暫くベットに腰を下ろしていたが床の赤黒いシミに気付いた。
─そういえば微かに鉄のような臭いがする…?
それが血の臭いだと気付くと嫌な考えが過った。