闇の中に



電灯と月明かりが照らしている中私たちは強く抱き合った



お互いの存在を確かめるように



そして桃が私を離して落ちている包丁を手にとった



「桃………?」



そしてその包丁を私に握りしめらせる



「えっ!?」



桃はニコっと笑って両手を広げる



『殺していいよ』



笑顔で私にそう一言言った




< 59 / 92 >

この作品をシェア

pagetop