無愛想なCinderella





そう思った私は、羽織っていたパーカーのポケットからハンカチを取り出して彼に突き出した。



「…これ、使ってください」


そう話しかけると、彼はやっと我に返ったようだった。



「え!い、いや、あの」


―――耳障りの言い声。


…でも、今は一刻も早く関わりを断ちたい!




「コレあげるんで!じゃ」


私はそう言って無理矢理彼にハンカチを握らせると、足早に立ち去ったのだった。





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