無愛想なCinderella





私はそのまま一直線に開発センターに戻った。


アイツはぼんやりしたままで追いかけてくる様子もなかったけど、なんだか一刻も早く帰りたくなったのだ。


息を切らせてセンターの入口をくぐると、誰かが近くにいる気配がした。




「―――おっ、桐生!研修はどうだった?退屈だっただろう?」


「先輩。………変な人がいましたけど、まぁ退屈でした」


私に話しかけてきたのは研究開発部の先輩の隅田さん。
変人ぞろいの研究開発部で唯一本社ビルの方でも“男前”で知られる先輩だ。



私がそう返すと、先輩は興味津々な様子になる。





< 9 / 132 >

この作品をシェア

pagetop