-短編- 生まれ変わっても… また。
「……うん。でも、時間が無いと困るだろ? だから………」
そこまで言うと、慶太くんはポケットの中から時計のような物を出して、あたしに差し出した。
綺麗なコバルトブルーで、可愛らしい丸いフォルム。
上部には、思わず微笑んでしまうくらい愛らしい天使の絵。
カチカチと短い秒針が忙しそうに動いている。
「うわぁ…!! 可愛い……!! これは?」
「“エンジェルクロック”。この世界の時計。ここで時間がない事に困った誰かが無理に時間を作ったんだ。沙結ちゃんにもあげる」
「いいの? ありがとう!!」