君の笑顔をもう一度

 「おい、どうしたんだよ?」

 凛顔が顔を覗き込ませた。

 「今ね・・・ううん、なんでもない」

 私がそういうとじいちゃんが口を開い
 た。

 「わしが今まで、ここを開けなかったのは
  開けなかったんじゃない開けられなかっ
  たんだ」

 

 ・・・・・―――――ハッ!!!!

 
 「桜・・・桜の木!!」

 私は自分の記憶を辿った。

 夢で見たあの木・・・・。

 あの時は桜が咲いてた。
 
 でも今はそんな時期じゃないし、第一そ
 の桜の木がまだ残っているかも分からな
 い。

 


 でも・・・・自分でもよく分からないけど
 誰かが呼んでるの。


 “早く見つけてっ・・・・”

 って・・・・。

 私は桜の木の元へ行こうと足を踏み出し
 た。

 「あっ・・・・おい!!未琴!!」

 凛も私の様子に気づき追いかけてくる。

 「ハァ・・・・・・ハァ・・・ハァ」

 見つけた。

 私が立った場所には・・・・・・何もなか
 った。



 「・・・おい!!なにいきなり走り出し
  てんだよ!!」

 いきなり肩をがっと捕まれた。

 「・・・・あ、凛」

 凛は少し息を切らせ肩を上下に揺らす。

 「あのね・・・・」

 私が凛に夢の事を話そうとした時、突然視
 界が揺らいだ。







 そして私は、深い闇へと落ちた。
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