鉄の救世主(くろがねのメシア)
ヘリを降りた隊員達は、各々三名分隊に分かれて任務を開始する。

建物や瓦礫の下など、注意深く確認しながら怪我人等の要救助者を捜索、救出していく。

「自分達も行くぞ」

豊田、麗華を引き連れ、小川も行動を開始した。

…砂煙と火災の黒煙。

事故車や破壊された建物、散乱した窓ガラスの破片。

戦場の如き様相を呈している市街地。

経験の浅い豊田や麗華にとってはショッキングな光景だろう。

彼らが進む方向から、煙や埃で汚れてしまった姿の市民が慌てて走ってくる。

何とか怪我もせずに生き残った人々なのだろう。

「できるだけ市街地から離れて!この先に戦術自衛隊のヘリが待機しています!順次救出に来ますから、慌てずに行動してください!」

麗華が避難する人々を促す。

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