鉄の救世主(くろがねのメシア)
一方小川は、豊田達とは別の場所で救助任務に従事していた。

…瓦礫の撤去、要救助者の救出。

時には既に事切れた被災者を発見する事もある。

両手を合わせて冥福を祈った後、遺体を回収する。

助け切れなかった命。

もう少し早く駆けつけていれば、助けられたのではないか。

遺体を発見する度に、そんな思いに苛まれる。

それでも手を止める事なく、黙々と作業を続けた。

こんな隕石落着後の荒れ果てた地で、いつまでも瓦礫に埋もれたままになっているのはあまりに不憫。

せめて、遺族の下に返してやりたい。

小川に出来る唯一の事だった。

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