KURUMI


めんどくさい…
心の底から、メンドクサイ。


年上に憧れる年頃なんだろう。
そんな生理的な問題
解決のしようがない。

誰でも通る道。


だから
あと1年半、我慢すれば良いだけの事。



「はぁ~」


あたしは6回目の溜め息をついて、裏庭を後にした。




学校をやめたり、休めばいいだけの事なんだけど…
なんとも残酷な事に、この学校は全寮制。
体調が悪い、と言えば先生が見にくる。
嘘なんだから、ばれたら厄介。

明日の事を考えて頭が痛くなるほど
あたしは弱く出来ていない。



辞めることは出来るのにそうしないのは
親の顔が浮かぶから、ともうひとつ。

負けたくないから。



あたしはどうやら
厄介な“負けず嫌い”という性質を
産まれ持ってしまったようだ。


ほらね、感情なんて要らないでしょ?


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