KURUMI


向かうところは、教室じゃない。
どうせ、ノートが破かれてるから
授業は受けられない。

それに今は昼休み。
自由時間にのこのこ教室に行って
標的になる程
あたしはバカじゃない。



だからいつも、昼休みはここに来る。
あいつに会いに…?

そんなんじゃない。


誰もいない屋上。
こんなに日当たりがよくて
風が気持ち良いところに来ないのは、
年下の男の子達と絡むために
みんな校庭や学食に出てお昼を取るから。


そんなあたしの特等席に
土足で踏み込んできた、



名前も覚えてない“あいつ”



元々の元凶。



初めてあたしに告白してきた後輩


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