ラストイニング〜重ねるイニングの行く先〜
「結婚前に言ってくれた言葉、覚えてる?」。

「ああ。」。

杉山は目をつぶった。


初めて会った河原の堤防に杉山と奈月は立っていた。

「この試合(人生)で、1球(1日)1球(1日)を大事にして、1イニング(1年)ずつ積み重ねいこう。
時には失点(挫折)する事もあるかも…。
でも、手を抜かず精一杯に投げぬいた(生きた)時、ラストイニング(死を迎える時)には、笑顔でいれると思う…。
だからさ…、自分達は最高の試合を戦った。
最愛の人とバッテリーを組めて幸せだったと、心から思えるようになろう。…な。」
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