ラストイニング〜重ねるイニングの行く先〜
「覚えてるよ。急に恥ずかしい事を言うなって、足を踏まれたよな。」。

「そうね。」。

奈月は少し笑った後、杉山を見つめた。

「なんだよ…?」。


さすがに高志をおぶっている自分に無茶はしないと思いつつ身構えた。


「あの時の、返事まだだったから……。充…、幸せだったというウイニングボールを一緒に掴もうね。」。

奈月は杉山の腕を掴んだ。

「ああ、必ず掴もうな。」。

杉山は奈月を見つめた。


その時、穏やかな風が吹き抜けていった…。


☆ラストイニング・完☆
< 554 / 565 >

この作品をシェア

pagetop