ラストイニング〜重ねるイニングの行く先〜
「ねえ、お兄ちゃん?」

「何?」

「その女の子の事、好きだったの?」

「いいや、話も余りしてなかった…。」

「そっか…。それでもお兄ちゃんはそこまで苦しんでるんだ…。」

「…そう……だな…。」


二人は堤防の上へと歩きだした。

その途中で奈月は言った。

「違うよ、お兄ちゃんは人殺しじゃないよ。」

と。
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