愛に命を語りましょう~I may tell~
「時空間?
いいなあ、過去も未来にも行けるなんて…」

凱の黙っている横顔にはっとして、私は一度口を紡ぐ。

「無い物ねだりですね、」



「少し連れていってやろう。
世話になってる礼だ」

俺は白馬に乗っかると枝南の手を引く。

「…?!」

彼女はまだ戸惑っている様子だ。
まあ、突然の出来事なのだから仕方はあるまい。



「絶対に、楽しませてやる」

彼女の目がふっと上がる。
夢を差した瞳に、こころが映る瞬間を。
俺はこの時、見たような気がした。

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