忠犬彼氏。


「せ、んぱい」

それは絞り出すような声だった。

「うざかったですか?」

「うん」

「鬱陶しかったですか?」

「そりゃもう」

あ、何かまたダメージうけてる。

「璃子、それくらいにしといてあげなよ」

「見てるこっちのHPまで削られてくよ」

なんか美那都がゲーマーに見えてきた。
普通HPなんていいますか?

ホームページは言うけどエイチピーは言わないよね。

「ちょっと璃子、アンタ何現実逃避してんの!?」


「シテナイヨ」

「嘘付け」

「華音たんも璃子にゃんもそんなこと言ってる場合じゃないよ!
なんか柴にゃん風化し始めてるから!」


そのまま無くなってしまえ!
とはこの状況じゃ言えなくて……

とりあえず戻さなくちゃな。
嫌だけど彼にも彼の人生があるんだもんね。

「柴」

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