忠犬彼氏。


「大好きだよ」

優しく微笑み(多分)優しい声色(多分)で柴に(嘘の)愛の言葉を囁く。


「り、こ……せんぱい」

徐々に柴に色が戻っていく。


「大好きです!世界でいちばん愛してます!」

なんかその台詞どっかで聞いたんだが。
デジャヴ?最近多いなぁ。

「あっそ、私は君が世界でいちばん鬱陶しいよ」

「な、な……」

「とりあえずモドッテヨカッタヨ(棒読み)」

「う、嬉しくないです!」

我が儘だなぁ全く。


「まぁまぁ柴にゃんが戻ってよかったよ!」

「ほら璃子先輩!美那都先輩を見習って下さいよ!」

柴は私を、キッと睨ん、で……る?のか?

「生憎私は可愛げが無いのでね。
男子に振りまく色気も無ければ可愛さもないの」

「先輩は可愛いですよ?」

キョトンとした顔で首を傾げる。

うん、確実に柴、アンタのが可愛いから。
そんな輩に誉められ(お世辞)たって嬉しかない。
むしろ同情に聞こえて悲しい。

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