眠り王子×無関心姫②【完結】
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あたしは、日本に来たばっかりで。
当てもなくフラフラと街を歩いてた。
アパートは無事に借りて、大家さんとは話もする。
でもそれ以外の人とは会話も無ければ目も合わさない。
毎日毎日居心地の悪いこの街に身を預けていた。
あたしが初めて楊杞を見たのは、夜の繁華街。
細い路地につれ込まれそうになってた。
「ちょっと!やめてってば!」
「いいじゃん、君カワイイし。酷いことはしないよ?」
「んなわけないじゃん!ちょっと!離せっ!」
この辺ではそんなことは当たり前と言う風で。
通り過ぎる人たちも見てみぬ振りだった。