三人だけの誕生日会
畳んだばかりの洗濯物の中からTシャツを取り出し、引っ張られ首や袖口が伸び切ったTシャツを脱いだ。

『ちょっと待って、ここも傷あるから』

そう言った兄さんは救急箱から大きな絆創膏を取り出し、僕の肩口にあった引っ掻き傷に絆創膏を貼ってくれた。


三人でカレーライスを頬張った。

兄さんが一人今日の中学校であった出来事を面白おかしく話しつづけていた。

お母さんはその話しに相槌をしながらも僕に優しい視線を送っている。


『健太が悪いわけじゃないって俺も母さんも知ってるから』

そう言って僕の頭にそっと右手を置いて頭を優しく撫でてくれた。
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