甘い笑顔のキミ
なんでそんなに普通にいられるの?
なんでそんなに余裕があるの?
………私はどきどきしっぱなしなのに…。
いつ彼女ができてしまうかが気になって
余裕なんか持てたことないのに……。
「…藤崎さん?」
気づけば私は作業する手を止めていて、
相川くんは立ち上がって私の顔を覗き込むようにしていた。
「…っ!?」
思っていたよりも近い距離に、
またさっきのことが思い出されて
顔がすぐに赤くなる。
思わずパッと顔をそらすと
相川くんがムスッとした表情をした。
「…なんで顔そらすの?」
そう言って再び顔を覗き込もうとする相川くんから、逃げるように顔を俯かせた。
「…藤崎さん?顔そらされると俺、ちょっと悲しいんだけど。」
……そんなこと言われても
今、顔が絶対赤い。
なにがなんだかわからなくなってきて
目にうっすらと涙がにじんでいるのがわかった。