ゆびきり
「そんな嘘ついても、すぐにバレる。今しかごまかせない。」

トオは、珍しく真剣な顔をしていた。


タケは足を止めトオを振り向いて見た。


「嘘じゃない。」
トオを睨んで言った。

「いや…嘘だ。なんなら今も付き合ってるんだろ?身をひくつもり?」

トオの真剣な表情にタケは少しひるんだ。



トオの言ってること
きっとあってるんだ。



「もう…いいよ。」


僕はそう呟くので精一杯だった。


もつれる足を何とか制御しつつ
僕は部屋に向かう。


「たっちゃん!」

藍ちゃんの声が聞こえた。


「何で嘘を?確かに僕は…まだ藍ちゃんが好きで、今だに彼女もいないよ。よりを戻すつもりだった?タケはどうするつもりだった?藍ちゃんがそんなに卑怯なことするなんて…」

僕は今ある気持ちをすべて吐き出したかった。


もう押し込むスペースなんて空いてなかった。



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