ゆびきり
「ごめんなさい。でも好きなの!たっちゃんが好きなの!」

藍ちゃんはまた泣き崩れた。


藍ちゃん…

君のわがままなところ
大好きだけど
このわがままは
聞くことはできない。


「たっくん。行こう」

気がつくとトオはいつの間にか僕の横にいて
僕を支える様に
僕の腕を掴んだ。



「たっくん。落ち着いてからでいいから…藍ちゃんの話聞いてくれないか?」

タケは去っていく僕らの背中に向かって言った。

「落ち着いたらね。でもまだまだ先になりそうだ。」


僕はそう言って
階段に足をかけた。



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