ゆびきり
「おい!たっくん!話きいてんのか!?」
おっと…
そういや僕は、さっきから中野君に話しかけられてたんだった。
学年の大半は名前で呼び合っているが
中野君は今年大阪から転校してきた
だからみんな『中野君』と呼んでいる
「ん?わりぃ聞いてるけどなに??」
「今言うたやろ~!やっぱ聞いてへんやんか・・・」
「ははは・・・・で?何??」
中野君は関西弁というやつで
かなりズケズケモノヲ言うから苦手だった
「だから、藍ちゃんと自分付き合ってるか??」
「自分…って僕のこと??」
「そうやで!どうなん??」
藍ちゃんと僕…
結婚しようとは言い合ってるけど・・・
そもそも付き合うって何??
「付き合うって何??どういう状況?」
僕は素朴な疑問を中野君にぶつけた
「え?だから…『好きです!付き合ってください』みたいなこと言うてやな、『私も前から好きでした』見たいな感じで、手ぇ~つないだり、ちゅ~したりやな…」
「ちゅう!?」
僕はビックリして思わず声を上げてしまった
「そうや!何おどろいてんねん!」
中野君はちょっと呆れた様子
もしかして経験あるのかな?
藍ちゃんは廊下からチラリとこちらを見ていた
ちょっとドキっとした