ゆびきり
廊下中に藍ちゃんの声が響く



「たっちゃん?ねぇたっちゃんってば」


何度も何度も



僕は上靴のまま裏庭に出て止まった


今僕の中に芽生えた感情にはまだ気付かないままで


「藍ちゃん、僕付き合うとかまだよくわからない。」

気持ちをぶつけた

「たっちゃん。」

藍ちゃんは
うつむき足元をみる



「でも…藍ちゃんが…好きだし、誰かにとられるのは嫌なんだ。」

そこまで言った時
藍ちゃんがプッと噴出した

「今日のたっちゃんは藍みたい。」


「それってわがままってこと?」


「ひどーい!」


藍ちゃんは
僕の頭を軽く叩いた



< 41 / 336 >

この作品をシェア

pagetop