ゆびきり
教室をぐるりと見渡すと
後ろの入り口に立っていた。

藍ちゃんとはクラス替えで離れてしまった。


「どうしたの?まだHRあるよ?」


「ちょっと怪我しちゃって、今から保健室行くからHR終わったら来てくれる?」

藍ちゃんは、膝を指差しながら少し顔をゆがめて言った。


赤い血が藍ちゃんの膝からスネのところまで垂れていた。


「ちょ!こんなとこ寄ってないで早く行けよ!」

バッと藍ちゃんの手を取る。

「え?大丈夫だよ?」

「ダメだよ。早くおいで。」


僕は藍ちゃんの手をひいてあわてて保健室へ。

良く考えたら
僕はついてこなくて良かったんだけど
藍ちゃんの怪我を見たら
慌ててしまった。



情けないかな?


でも
大事な藍ちゃんの足から
血が流れ出てるんだから
慌ててもいいよね?







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