《完》天使の微熱 〜アクマなアイドル〜
「………わかった?

陽菜に何が足りなかったのか」



全てを見透かしたように、
玲斗がどこか楽しそうな
声で言う。



「優しいオレが、経験の
ない陽菜が“実感”できる
ように助けてあげたんだから。

これで撮影もなんなく
乗り切ってもらわなきゃ
――ね?」



「なっ―――…」



何が“優しい”よ。



そのために、わざわざ
こんな所まで来て手の
込んだお芝居して……。



(……一瞬でも真に受けた
あたしが、バカみたいじゃない)



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