彼女とカノジョ
再び沈黙の時間が訪れた。

私の頭の中は、彼女と大塚先生の関係でいっぱいだった。

…彼女は先生と付き合ってたの?でも、奥さんって?まさか、不倫?でも、先生は今は独身だと思うし。。

思いきって何か聞いてみようかな…。そう決心した時、カフェの扉が開いた。

「麻里?!遅れてごめん」

「拓ちゃん!」

拓ちゃん…タイミングが悪いなぁ。私は、拓ちゃんに会えた喜びより、彼女と大塚先生の関係が気になっていた。

『安藤くん、ご苦労様。それじゃ、邪魔者の私は帰るわね。麻里さん、色々お話出来て楽しかった。ありがとう。またね』

「三宅!悪かったな…ありがとう」

「三宅さん。私も楽しかったです。ありがとうございました。」

私は気になる気持ちを抑えて彼女に別れを告げた。

帰り際の彼女は何時もと同じで穏やかで落ち着いた雰囲気だった。

「ごめんな。せっかくの記念日なのに遅れて」

「別に良いよ」

これが私が彼女の恋に触れるきっかけとなる出来事だった。
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