ヒロイン 完
「奈緒ちゃんじゃないからね」
指の隙間からチラリと視線を投げられた。
手を顔から離した泉さんは私に体ごと向き直った。
「奈緒ちゃん。俺今すっげー自己嫌悪に陥ってるの」
じ、自己嫌悪?
「だから慰めて」
うわ、卑怯だ。
上目使いって、女の私がやっても、そんなに可愛くない。
てか、私がやったら寧ろキモイ。
私はどうして良いのか分からず、取り合えず泉さんがいつも私にやってくれるようにソッと髪を撫でた。
ソファーの上で向き合っている私達。
私に黙って撫でられていた泉さんはコツンと頭を私の鎖骨らへんに当てた。
――――――!
し、心臓が!
早い早い。
やばい。
やばいです!
「い、泉さん?」
「んー、もうちょっとー」
な、何が!?
「奈緒ちゃん」
「は、はい!」
「クスッ……」
くす?
クスッ?
わ、笑いやがったな。
「心臓ちょーはえー」
「……」
いやいや、早くもなりますよ。
指の隙間からチラリと視線を投げられた。
手を顔から離した泉さんは私に体ごと向き直った。
「奈緒ちゃん。俺今すっげー自己嫌悪に陥ってるの」
じ、自己嫌悪?
「だから慰めて」
うわ、卑怯だ。
上目使いって、女の私がやっても、そんなに可愛くない。
てか、私がやったら寧ろキモイ。
私はどうして良いのか分からず、取り合えず泉さんがいつも私にやってくれるようにソッと髪を撫でた。
ソファーの上で向き合っている私達。
私に黙って撫でられていた泉さんはコツンと頭を私の鎖骨らへんに当てた。
――――――!
し、心臓が!
早い早い。
やばい。
やばいです!
「い、泉さん?」
「んー、もうちょっとー」
な、何が!?
「奈緒ちゃん」
「は、はい!」
「クスッ……」
くす?
クスッ?
わ、笑いやがったな。
「心臓ちょーはえー」
「……」
いやいや、早くもなりますよ。