ヒロイン 完
「電車乗り遅れるよ」



お兄さんに言われて我に返った私は、もう一度お礼を言って駆け込み乗車した。


そして今は授業中。


集中なんかできない。


まー、集中してないのは、いつものことだけど。


あー、名前ぐらい聞いとけば良かった。


また会いたいな。



「……」



って、何考えてだ私。


溜め息を吐き視線を横にずらす。


あの子は机に突っ伏して寝ている。


これも、いつもと変わらない風景。


今、一つだけ違うのは……。


私が、あのおにーさんのことを考えてるってこと。


無意識に戻ってきたドッグタグを握り締めていた。
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