ヒロイン 完
「いえ、大丈夫です…もう帰ろうと思ってたんで」



そう言うと泉さんはちょっと悲しい顔をした。



「じゃあ行こうか」



と、私達が腰を上げた時、扉が凄い音を立てて開いた。



「シーーーーン、元気かーー!?」



いやいや、近所迷惑だろ。


って思っちゃうほど大きな声がリビングに響いた。


入って来たのはスーツを着たおにーさんだった。


一人でよくこんなにテンション上がるなー。


変な感心をしていると、おにーさんと目があった。



『………………………………』



隣で泉さんが溜め息を零したのをタイミングにおにーさんはまた叫んだ。



「女子高生!!!!!???」



この人、酔っ払ってる。


酒臭い。



「おおおおお前、せ、せ、せい…………フガッ!」



何かを言い掛け泉さんに口を押さえられた。


うわ。


窒息死だ。


泉さん鮮やかです。
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