桜の花びら舞う頃に
そんな悠希に微笑みを送りつつ、エリカはゆっくりと口を開いた。



「悠希はね……」


「……うん」


「アタシにね……」


「……うん」


「……告白したのよ!」


「うん……って、えええっ!?」



2人は愕然とする。



「な……」


「悠希くん……告白したの?」


「してない! してない! してない!」



じとっとした視線を送るさくらに、あわてて否定する悠希。


「照れなくてもいいじゃ~ん!」


エリカは笑う。


「アタシ……あの時、嬉しかったんだよ?」

「……ゆ・う・き・く~ん?」

「ごめん……本当にわからない……」


そう答える悠希に、エリカは溜め息をつく。


「もー、仕方ないなぁ! 警察署でのことよ」

「けい……さつ……しょ?」

「告白……したっけ?」

「うん、アタシが玲司に殴られそうになったじゃない?」


エリカは、身振り手振りを加えて説明する。


「……それを、悠希くんが止めたのよね」


あの時のことを思い出しながら、さくらは言った。

エリカはうなずくと、言葉を続ける。



「そしてその後……『彼女も、十分反省してるみたいだし』って言ったでしょ」


「……あ~、そんなこと言ったな~」



悠希は、斜め上を眺めながら答える。







< 188 / 550 >

この作品をシェア

pagetop