天然男の恋愛事情〜オフィスは恋の花盛り〜
俺がゆっくり顔を上げて片桐チーフを見ると、彼女は焦点の定まらない、虚ろな目をしていた。


「トーコ、さん?」


「え?」


俺が名前を呼ぶと、片桐チーフは我に返ったようだった。


「俺の話、聞いてましたか?」


「き、聞いてたわよ? 恋人が出来たんでしょ? よかったじゃない……。どんな子?」


「はい。人事課の市川麻衣という子です。知ってますか?」


「知らない。今年、人事課に可愛い子が入ったって話は聞いてるけど…」


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