天然男の恋愛事情〜オフィスは恋の花盛り〜
「どうせもう、裏切ってるじゃない」


グサッ


「そうかもしれませんが、これ以上裏切りたくないんです」


「黙ってればいいでしょ?」


「そういう問題じゃないんです。俺が、俺自身が許せないんです」


「そんなに好きなの? その子のこと」


「はい、好きです」


俺は真っ直ぐ片桐チーフを見て、そう言った。


片桐チーフも俺を真っ直ぐにジーッと見ていたが、やがてその瞳が潤みだしたように、俺には見えた。


「と、トーコさん?」


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