天然男の恋愛事情〜オフィスは恋の花盛り〜
それは人事課の須藤京子だった。


須藤京子は麻衣ちゃんの先輩で、俺は出会ったその日から彼女が苦手だ。


人から白い目で見られるのは平気だが、彼女だけは恐い。


須藤京子に麻衣ちゃんの近況を聞きたい気持ちもあるが、恐ろしさが勝り、俺は彼女と目が合わないようにしていた。ところが、


コツコツコツと、ヒールの硬い音を響かせながら、須藤京子は真っ直ぐ俺に向かって来た。

武田に用事だろうと思ったんだけどな……


「中島さん」


「は、はい!」


須藤京子に名前を呼ばれ、俺はすぐに立ち上がっていた。


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