天然男の恋愛事情〜オフィスは恋の花盛り〜
「おれっちの携帯貸してやろうか?」


小太りはパンツのポケットから青い携帯を出すと、ストラップを太い指でつまみ、俺の目の前でブラブラさせた。


そのストラップがイルカだったので、思わず俺はニヤッとしてしまった。


ところがそれが、小太りには不気味に見えたらしく、


「な、何がおかしいんだよ?」


と言いながら半歩後ずさった。


いいぞ。こんな感じでもっと時間を稼いでやる。そう思ったんだけど……


テーブルの向こうでガタガタと音がし、「クソッ 痛えー」という声が聞こえた。


俺が突き飛ばした男が、目を覚ましてしまったらしい。


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