一番近くの君へ。
「ごめんね…」
あたしはぱっと孝ちゃんから離れた。
「まったく、どうやったらこんな普通の道で転けるんだよ。」
「謝ってるのに…」
「お前なぁ…」
孝ちゃんはヒョイと立ち上がると、ゆっくりとあたしに手を差し伸べてくれた。
孝ちゃんってわかんない。
いつもイジワルなのに、いつも助けてくれる。
…あたしは孝ちゃんの手を掴んで立ち上がる。
「ありがとう…」
孝ちゃんは目を細めてにこっと笑った。