夢と恋と王子様
「恵梨香~、大丈夫?」
「ありがとう…麻衣子」
「心配だったから先生呼んだの」
「……そっか…よかった…」
力が抜けた私は
思わず地面に座り込んだ。
先輩に近づけば近づくたび
自分の事もちゃんと
考えなくてはいけないなんて。
好きなだけなのに
何故こんなに
悩まなければならないのだろう。
「とりあえずさ、王子に
言った方がいいんじゃない?」
「…そう、かなぁ……」
「当たり前でしょ!!
まさかこりずに図書室
行こうなんて思ってた?」
「まさかぁ…もう行かない。
行きたいけど…行けない」
「うん。だから、
急に恵梨香が来なくなったら
心配するだろうから
正直に三宅琴乃の事も
話しちゃいなよ?」
「うーん。」
「あーもう!!あたしが
メール打ってあげる」