夢と恋と王子様




そんな私達の姿を
三宅琴乃は見ていたんだ。


新学期早々
ついに、と言わんばかりか
校舎裏へと呼び出された私は

三宅琴乃と1対1である事に
なぜかホッとしていた。



「邪魔しないでって言ったよね?」


「…………。」


「ねぇ、なんなの?
 さっさとあんたなんか
 消えればいいのに。」



ホッとしたのもつかの間、
数名の見知らぬ制服を来た男子が
私の視界に入り込んだ。



不適な笑みを浮かべ近づいてくる男達は
私を壁へと追いやった。





「先生っ!!あそこ!!」



その時、麻衣子の声と共に
頼れる体育教師が駆け付けてきた。



やばいと言った表情で
逃げ出す男達。

すでに三宅琴乃はいなかった。



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