青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―
「ハジメちゃんも一時、感じていたんだけどさ。いっきなり消えそうなんだよんさま。理由もなく、ある日突然、シュバババッて。
なーんって言えばいいのかな、些細なことを気にして姿を現さなくなるってヤツ?
だからヨウちゃーん、燃えてるのかも。
仲間消えるってヨウちゃーんにとって、超苦痛じゃん? ねえ、ハジメちゃーん」
「一度、チームを離脱した僕に振られても…」
気まずそうに笑うハジメは、俺に視線を流して笑みを深くする。
「詳しいことは知らないけど、ケイがもしチームと自分の存在意義に思うことがあって少しでも居心地が悪いと思ったなら、ヨウは怖じを抱いたんだと思う」
仲間が消える、それはヨウにとって最大の弱点でありトラウマだ。
それを作ってしまったのは誰でもない僕のせいだけどさ…、特にケイはヨウの舎弟。
舎兄として動きたくなったんだと思うよ。
ああ見えても、ヨウは舎兄としてかなり成長したから、舎弟が思い悩んでいるのを見て居ても立ってもいられなくなったんだと思う。
なんだかんだ言ってもヨウにとって一番の理解者はケイだしね。
そりゃあ消えられたら困るだろうさ。
ヨウ自身にとっても、チームにとっても。
立ち位置的に言えば、そうだね、クサく指摘するとヨウとケイは無二の相棒って感じだろうからね。
ケイ自身もヨウが消えたら困るだろ? それと一緒さ。
ケイ、もしかして間接的にチームを抜けるとか考えたんじゃないかい?
どっちにしろ、君が抜けられたら困るさ。
ヨウも僕等も、調子ノリがいないとツマンナイしね。
ココロなんて泣くんじゃないかい?
……、ガチな話、抜けるなんて思ってないよね? だったら全力で止めるけど。
「ケイって僕に似て生真面目なところがあるから、ちょっと心配なんだけど」
そうのたまうハジメに、「ダイジョーブ」どっかの誰かさんじゃあるまいし抜けないよ、俺は目尻を下げた。